「博物館構想説明会の質疑応答に対する意見、上野会館・富士根北公民館・きらら編」の続編になります。
- はじめに
富士宮市の博物館には「コンセプト」が必要です。
きらら |
博物館で働いていた方から"人を引き付ける売り、『どういう博物館なんだ』 というこの博物館ならではの個性が必要になってくると思います"という意見がありました。全く、その通りだと思います。
全体的にですが、担当者は「子供たち」にフォーカスした回答が多いものの、私は人気のないユーチューバーがいきなりオフ会をやるようなものだと思います。需要があると錯覚し「人が来るだろう」と意気込むも、人は「来ない」。最悪、ずっと座っていることになる。そんな状況が容易に想像させられる。
学芸員その他専門の方々は、一種の「生存バイアス」に引っかかっているのです。回りは似たような過程を経てきた人で固められ、まるでその他多くの人も"アプローチ次第では歴史に関心を持つだろう"という幻想を抱いている。常に最善で事が進むという前提のもと、幻想はミルフィーユのように重なり、子供たちが大人になった様子をも幻想として抱く。悲しいかな、清々しいほどそうはならない。
ところで、質疑応答でこのような質問があった。富士根南 |
この質問者は「富士金山」を知っているという時点で、知識を有する方と言って相違ないでしょう。富士宮市のセールスポイントは、実はこの辺りにしかないと考えている。というのも、
富士宮市の博物館のコンセプトは「富士」であり、名称は「富士博物館」を視野に入れても良い
と考えられるのです。極めて当たり前のことですが、富士宮市が「豊臣秀吉」や「織田信長」がテーマの博物館を作っても仕方がない。「富士宮市立郷土史博物館の地域説明会における質疑応答に対する意見」で「地域密着がテーマでない方がよい」という意見がありましたが、とてもではないが支持できる意見ではない。むしろ普通に富士宮市の"基本的歴史材料"を題材にすれば良いだろうし、富士宮市の"歴史的人物"や"歴史的事象"を取り上げれば良いのです。
質問者に敬意を表して富士金山から紹介していきますが、「富士」というコンセプトを基とする「歴史的人物」「歴史的事象」「歴史的材料」は、以下のようなものだと思うのです。
- 富士金山(「麓金山」と呼び習わされることも)
- 富士氏
- 富士城(大宮城の別名)
- 富士野(曽我兄弟の仇討ち舞台の地)
- 富士海苔(芝川海苔とも)
- 富士川
- 富士山
また以下のような不思議な質問もありました。
南部 |
他市のために富士宮市の多額の資金を提供するのは、「富士宮市立郷土史博物館の地域説明会における質疑応答に対する意見」にあるような「新富士駅」の例などで十分です。理解できません、その考え方が。これでは富士宮市は完全な「タカられ屋」になってしまう。
しかしこの質問者が極めて不器用であったと仮定すると、静岡市も富士市も「駿河国」であるので、おそらくその辺りに意図があるようにも思われる。そこから私なりに換言すると
「駿河国」全体で考え、富士宮市とその他の地域との結びつきを考えよう
ということになる。そして富士宮市も富士市も「富士郡」であったため、更に換言すれば
駿河国、ひいては富士郡における富士宮市の位置づけ
について考えて欲しいということを言いたかったと捉えられなくもない。であれば、富士氏という国衆の在地とそれ以外での活動を考えれば良いし、富士城が富士郡の拠点であったことを分かりやすく説明すればいいし、富士海苔が今川文化の一端を担い上流階級でも重宝されたことを丁寧に説明すればいいし、富士川も「富士山木引」等を例に「富士山木引→上井出→青木→沼久保→川下し→吉原」という繋がりを史料と共に説明すればよいのである。
ちなみに私は、富士宮市の展示や刊行物で上のようなことに言及したケースを見たことがない。そもそもやっていないので、博物館以前の問題なのである。数十年分の刊行物を俯瞰して見ても、無いのである。
南部 |
当たり前ですけど入館料は「収入」です。「もとを取る/取らない」じゃなくて、収入になるのだから、そこに対してしゃかりきにならないといけない。こんなことを外の人間が言わなければならないというのが絶望的。意識の低さが見て取れる。
追記:
岡崎市美術博物館の企画担当の方が、Twitterでグッズに関する問いかけを行っていました。なんとたった7時間でこの反響です。南部 |
自然破壊につながるとは思わないし、逆に子供に「何で博物館が無いのか」と問われたらどう答えるのか教えて欲しい。それはそれで、子供に噛みつくんでしょうか。
【大富士交流センター】
大富士 |
本当に甘いです。「博物館は要らないんじゃないか」と人に思わせる能力に長けているとすら思う。
大富士 |
「大富士交流センター」についてはどう捉えていますか?私からすれば、同じ性質のものです。大富士交流センター自体も、議題が市議会に上がってから私も知る所となったと思うし、それが問題とも思わない。
大富士 |
全世帯にアンケート…コストを考えると馬鹿馬鹿しいです。これまでも、多くてもサンプル数は数千です。私は富士宮市が行った/対象となった調査のサンプル数について過去調べたことがありますが、管見の限りでは「富士山ネットワーク会議」のものが最多でした(環富士山の自治体全体に及んだもの)。
その結果も公表されていますが、富士宮市民の回答だけ浮いていました。本当に恥ずかしい限りです。身内が親戚の集まりで変なことを言っている…そんな感じです。「新富士宮市史編纂事業の意義と古史料の提供呼びかけ」にて"ここでは伏せておこうと思います"としたのが、そのアンケートです。博物館構想には関係ありませんが、そもそも変なことをいいやすい気質はあるということで参考として挙げておこうと思います。
大富士 |
「富士博物館」とか「富士〇〇」というものが良いと思います。仮に名称を募集するときも"「富士」を冠する"という条件にしても良いくらいだと思います。